「トイレが一番困った。うれしいなんてもんじゃない」大雨から酷暑、続いた断水ほぼ解消へ 姶良と霧島 JR日豊線は一部で運転再開

2025/08/16 05:51
中田橋(左奥)の崩落の影響で損傷した送水管の仮設工事=14日、姶良市加治木町小山田
中田橋(左奥)の崩落の影響で損傷した送水管の仮設工事=14日、姶良市加治木町小山田
 8日の記録的大雨の影響で、断水が続く姶良市加治木地区の約580戸で15日、配水が始まった。姶良、霧島両市で最大3万8640戸に上った断水は、16日にかけてほぼ解消する見通し。JR日豊線の鹿児島-国分は、21日から本数を減らし運転を再開する予定。

 姶良市水道事業部によると、送水管や配水管の補修を終え、配水を段階的に進めた。同市加治木町小山田の山田了さん(75)は「トイレが一番困った。1日2回給水所に行き何十リットルも担いで運んだ。霧島の温泉まで毎日通って風呂に入り、コインランドリーでは40分ぐらい待った。(水が通って)うれしいなんてもんじゃない」と声を弾ませた。

 JR九州によると、鹿児島-西都城で運休中の日豊線は、鹿児島-国分に続き、26日に霧島神宮-西都城で運転を再開する計画。国分-霧島神宮の再開は9月下旬を目指し、8月26日から代行バスを運行する。肥薩線の吉松-隼人は復旧が見通せない。9月1日から代行バスを走らせる。

 県のまとめで農業被害は64億5000万円に膨らんだ。農地の崩壊や農業用施設の破損、姶良・伊佐地域の水稲被害が新たに判明した。

 道路関係は、曽於市の県道大川原小村線で規制が解除され、国道と県道の全面通行止めは16カ所になった。鹿児島国道事務所によると、国道10号が通る姶良市の網掛橋は、増水で川底が深くえぐられ、橋本体が不安定になっている可能性がある。復旧方法を検討中の段階で、通行再開には相当な時間を要する見通し。

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