慰霊碑に献花して手を合わせる石橋直也さん=南九州市知覧
太平洋戦争末期に南九州市の旧陸軍知覧飛行場に墜落し、犠牲となった米軍機の乗組員を追悼する初の慰霊祭が、墜落現場であった。10年前に自費で慰霊碑を建立した兵庫県朝来市の石橋直也さん(34)や、地元住民ら10人が献花して手を合わせた。
知覧特攻平和会館によると、米軍のB25爆撃機は1945(昭和20)年8月7日午前11時ごろ、知覧飛行場上空で対空砲火を受けて墜落し、6人の乗組員全員が死亡した。
石橋さんは19歳の時、自転車で日本一周する旅で初めて特攻平和会館に立ち寄り、B25の墜落を知った。毎年訪れるうちに「敵や味方に関係なく戦没者を弔い、歴史を継承したい」との思いが強まり、碑を建てた。
地元有志が清掃を続け、戦後80年の今年、初めて慰霊祭を7日に開いた。
年に一度は知覧を訪問する石橋さんは「一人一人の死を悼み、慰霊することこそが平和について考える原点になる」とあいさつし、黙とうをささげた。