タイワンツチイナゴの幼虫(鹿児島県ホームページから)
鹿児島県は18日、徳之島でサトウキビの葉を食べる害虫のイナゴ類が増え、被害拡大が懸念されるとして、奄美地域に病害虫発生予察注意報を発出した。島内2%のサトウキビ畑では、食害面積率が76%以上となった。イナゴ類の注意報が出されるのは、過去20年間で初めて。
主に増加しているのは、国内ではトカラ列島以南などに分布するタイワンツチイナゴ。国内最大級で成虫は体長6~8センチに育つ。県病害虫防除所によると、卵と幼虫は4~6月、成虫は6~8月に多く現れ、サトウキビを食害する。今年は6月に雨が少なかったため、多数の個体が生き残った可能性がある。
8月4~14日の調査で発生率が例年より高く、補足調査したところ、島内45%のサトウキビ畑で発生していた。伊仙町では67%で発生、うち3%で被害が大きかった。今後、島外まで飛ぶ可能性は低いものの、防除所は、適切な農薬散布などで防除するよう呼びかける。