ついに王者・静岡を抜いた――鹿児島が一番茶の荒茶生産量で初の1位 前年比で静岡は19%減、鹿児島は横ばいで逆転

2025/08/21 06:00
鹿児島と静岡の一番茶の生産量
鹿児島と静岡の一番茶の生産量
 2025年産一番茶の荒茶生産量で、鹿児島県は8440トンとなり、初めて全国1位になったことが20日、分かった。1991年に農林水産省が一番茶の調査を始めて以来、首位だった静岡県は8120トンで2位となった。鹿児島県は、一番茶を含む通年の荒茶生産量で2024年に初の日本一となっており、25年産でも期待が持てそうだ。

 2024年産一番茶の荒茶生産量は、鹿児島が8450トンで静岡が1万トン。2025年産は鹿児島がほぼ横ばいだったことに対し、静岡は前年比19%減となったことで逆転した。荒茶生産量で一番茶が占める割合は24年産で鹿児島31.3%、静岡38.8%。

 摘採面積は鹿児島7670ヘクタール(前年比2%減)、静岡1万500ヘクタール(同9%減)。生葉収穫量は鹿児島4万5200トン(同1%増)、静岡3万9900トン(同22%減)。10アール当たりの生葉収量は鹿児島589キロ、静岡380キロと209キロの差が付いた。

 農水省によると、静岡は4月上旬から5月上旬にかけて最低気温の低い日が多く、芽の伸長が抑えられたことが収量減につながった。鹿児島は4月以降に晴れ間が多く、適度な降水量だったため生育が順調で、昨年並みの収量を維持できたとしている。

 県農産園芸課は「鹿児島は摘採面積を確保でき、海外需要の高い抹茶の原料に使われるてん茶生産への転換が進んでいることが大きい」と分析した。

 一番茶の作物統計調査は、主産地5府県(鹿児島、静岡、三重、京都、埼玉)をまとめる。摘採面積は2万2300ヘクタール(前年比5%減)、荒茶生産量は2万トン(同10%減)だった。

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