不具合解消しても母艦に戻れない?――緊急着陸の英軍F35戦闘機、離陸は9月か 鹿児島空港

2025/08/21 11:28
鹿児島空港に緊急着陸したイギリス軍のF35Bステルス戦闘機=10日午後3時、霧島市の同空港
鹿児島空港に緊急着陸したイギリス軍のF35Bステルス戦闘機=10日午後3時、霧島市の同空港
 鹿児島空港(霧島市)へ10日に緊急着陸した英軍のF35Bステルス戦闘機1機は20日も駐機した状態が続いた。防衛省によると、母艦の空母は9月2日まで神奈川や東京の港に停泊する。機体の不具合が解消しても寄港中は母艦に戻れない可能性があり、空港を離れるのは9月以降になるとの見方もある。

 防衛省によると、空母は「プリンス・オブ・ウェールズ」。9月2日まで米海軍横須賀基地や東京国際クルーズターミナルに寄港する。騒音などを考慮し、戦闘機は寄港している空母に着艦しないのが一般的だという。20日現在、離陸の見通しについて英軍から防衛省への説明はない。

 国土交通省鹿児島空港事務所によると、F35Bはエンジントラブルのため緊急着陸した。防衛省は「搭乗員が通常と異なる兆候を察知し、予防着陸したと聞いている。原因など説明を求めているが、エンジンかどうかも含め情報は入っていない」と説明した。

 鹿児島空港事務所によると、F35Bは10日午前11時32分に着陸した。滑走路が約20分閉鎖、民間機6便の発着が遅れた。機体は12日、民間格納庫に移動した。

 日本は、自衛隊が他国の艦艇や航空機を守る「武器等防護」を英軍に適用し、英国と部隊の相互往来を容易にする「円滑化協定(RAA)」を結ぶなど英国との準同盟化を進めている。

 ウェールズは、日本が事実上の空母化を進める海上自衛隊の護衛艦「かが」を含め6カ国の共同訓練に4~12日、西太平洋上で参加。艦載機のF35Bはかがに着艦した。

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