〈資料写真〉開聞岳上空に弧を描き、上昇するH2A50号機=6月29日午前1時33分から5分20秒露光、南九州市頴娃町別府
種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)で6月末に最終50号機が打ち上げられたH2Aロケットの退役記念式典が23日、同町であった。町民や宇宙航空研究開発機構(JAXA)関係者ら約250人は、2001年の初号機打ち上げからの24年間を振り返り、功績をたたえ感謝した。
南種子町などが主催。小園裕康町長(64)は「希望と感動を与えてもらった。H2Aは地域の誇りであり、未来への希望だ」とあいさつした。町民を代表し、打ち上げの動画配信などに取り組む農業崎田善昭さん(57)は「50号機打ち上げは感動的だった。(後継の)H3ロケットもずっと応援したい」とエールを送った。
記念講演で三菱重工宇宙事業部の五十嵐巖部長(58)は「おもてなしの心に支えられた」と地元に感謝。JAXAの岡田匡史理事(63)は「ロケット技術者の“燃料”は皆さんの声。H3に磨きをかけていく」と話し、今後も地元と協力、連携して種子島を盛り上げる意気込みを語った。
H2Aは2段式の液体燃料ロケット。長く日本の宇宙開発を支え、今年6月29日に最終の50号機が打ち上げられた。2003年の6号機を除く49機で打ち上げに成功し、成功率98%で役割を終えた。