住吉町15番街区(手前)=2024年1月(本社チャーター機から)
鹿児島港本港区(鹿児島市)住吉町15番街区で、大宴会場や会議室を備えたホテルの整備を目指す民間事業者1社による公開プレゼンテーションが24日、市内であった。鹿児島県の公募に応じ、老朽化による移転新築計画がある鹿児島サンロイヤルホテルを運営する鹿児島国際観光(同市)が事業を提案。ホテルは地上9階建て、客室計281室で、最大2000人規模の学会や式典が開ける大宴会場を備えるとした。
事業コンセプトは「海と光と火の山と~夢は南から」。担当者は将来的に、県が本港区のドルフィンポート跡地に整備を計画するスポーツ・コンベンションセンター(新総合体育館)との連携を最大限に引き出すとし、「センターに不足する機能を補完し、街のハブを形成する」とした。
計画によると、2階に設ける大宴会場は1600平方メートル。可動間仕切りで分科会などにも活用する。1、3階にも宴会場兼会議室を置く。来館者用駐車場の2階部分に飲食テナント群「海の屋台村(仮称)」を整備し、海鮮やとんかつなど地元店舗を誘致。簡易ステージも設ける。ホテル2階と屋台村はデッキでつなぐ。
3階に桜島が望める大浴場。4~9階は客室で、ダブルが約30平方メートル、ツインが約30~60平方メートル。キッチンや洗濯機など備えた滞在型やスイートルームは約95平方メートルの広さを確保する。来館者用駐車場は最大233台。
プレゼン傍聴者は70人。評価委員から「機能は充足されているが、複合建築として各機能がどう結ばれるかという物語の説明が足りない」との意見や、中心市街地との回遊性に関する質問があった。県は31日に非公開の応募者ヒアリングを行い、最優秀提案者を選定。事業予定者の決定は10月を見込む。
県は要領に基づき公募に応じた事業者名を明らかにしておらず、プレゼンは事業者名を伏せて開かれた。同社が提案書を提出したと認めている。