さよなら「和尚さん饅頭」――大正14年創業、孫夫婦が受け継いだ加治木の名物菓子店「松栄堂」100年目で幕 惜しむ客続々来店

2025/08/26 14:33
閉店を知って訪れた客と話す森田康之さん(左)と恵子さん=23日、姶良市加治木
閉店を知って訪れた客と話す森田康之さん(左)と恵子さん=23日、姶良市加治木
 鹿児島県姶良市加治木町本町の菓子店「松栄堂(しょうえいどう)」が、30日の営業を最後に閉店する。今年創業100年を迎えた老舗で、惜しむ客らが相次いで訪れている。

 3代目店主の森田康之さん(67)恵子さん(66)夫婦によると、機械の老朽化や家族の介護、後継者不在が理由という。

 恵子さんの祖父母が1925(大正14)年に開店。恵子さんの両親、森田さん夫婦と継いできた。カステラや蒸しようかんなどが人気で、地元ゆかりの禅僧にちなんだ「和尚さん饅頭(まんじゅう)」が長年愛されている。

 店に入って42年、店主となり27年という康之さんは「お客さまにずーっと、かわいがっていただき感謝しかない」。恵子さんは「ここで生まれ育ったのでさみしいけれど、節目でいいタイミングかと思う」と語った。

 閉店を知り慌てて駆けつけたという同町木田の老山(おいやま)悦子さん(82)は「何でもおいしくて30年以上通っている。残念」と惜しんだ。

 同店は30日まで「和尚さん饅頭」のみ販売する。焼き菓子の型など店で使っていた用具類も低額で販売する。

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