近く撤去される見込みとなった国道10号上のバス停標識=27日、鹿児島市吉野町
鹿児島市吉野町の仙巌園前バス停標識の移設を国が県バス協会に求めている問題で、バス協会側が28日にも標識を移設する方針であることが関係者への取材で分かった。国土交通省鹿児島国道事務所は8月、道路法に基づく移転措置命令を出しており、同月末が期限だった。
仙巌園前付近の国道10号は昨年3月に通行ルートを変更。左折レーンを新設し、磯方面に向かう一方通行の市道は廃止した。それに伴い、バス停留スペース(バスベイ)が設けられたが、以前のバス停が移設されずに残っている。新たなバス停標識はバスベイ近くの歩道に置かれ、車線上に残っている標識は、協会側が撤去するとみられる。
仙巌園前バス停を巡り、国道事務所は2〜4月の計3回移設を勧告。協会はバス停を利用する事業者で賛否が分かれているとして承諾しなかった。8月6日には国道事務所が、事故対策事業を完了できず、安全性が確保できないなどとして移設を命令した。
移設について、県バス協会は「問題解決に向けて進めている」と説明。国道事務所は「現段階ではコメントできない」としている。