〈資料写真〉大型無人機シーガーディアン(MQ9B)=2024年6月14日、鹿屋市の海自鹿屋航空基地
「国が決めることなら信じる」「平和共存のための外交を」-。防衛省が大型無人機シーガーディアン(MQ9B)の海上自衛隊鹿屋航空基地配備を発表した29日、地元の鹿児島県鹿屋市からは賛否の声が上がった。
配備を肯定的に受け止めるのは鹿屋航空基地後援会の中西誠一会長(78)=上谷町。「南西諸島の守りを考えれば、鹿屋への配備は当たり前に感じる」
南西諸島では中国軍の無人機の活動が活発化している。防衛省が2024年度に確認、公表したのは23回で、8回だった前年度から大幅に増えた。沖縄本島と宮古島の間を通過することが多く、24年6月には奄美大島沖まで飛行した。中西さんは「安全第一だが、国が決めることなら信じて任せたい」と話す。
市民団体「9条の会おおすみ」の松下徳二代表(87)=旭原町=は「戦争への道そのもの」と否定的だ。「装備に頼らず他国と平和共存するための外交を展開して」と注文した。
鹿屋基地に一時展開していた米軍の大型無人機は23年8月、着陸時に滑走路を外れてオーバーランし、地上設備に接触した。
寿8丁目の女性(63)は「抑止力という言葉を使えば市民が安心するとは限らない。犠牲になるのはいつも市民で、安全と言われても、信じられない」と不安を口にした。
鹿屋市の中西茂市長は「安全保障環境の変化などを踏まえると、計画には一定の理解をする。事故防止や騒音対策が徹底されることが重要で詳細な情報提供と説明責任を果たすよう国に求める」とコメントした。