賞状とトロフィーを手に喜ぶ〓賢伸さん=出水市野田
けん玉道5段の腕前を持つ鹿児島県出水市野田の葛賢伸さん=れいめい高校3年=が、「藤原一生杯世界けん玉道選手権大会」(7月・東京)で初優勝した。葛さんは「世界一という輝かしい賞は光栄」と声を弾ませた。
日本けん玉協会(東京)主催。海外からも参加できるが、今回は国内の中学生から一般まで32人が出場した。予選の「銀河系一周」「裏世界一周」など10種目の試技成功数で決勝トーナメントの枠を決め、4種目(決勝6種目)で競った。
予選4位の葛さんは「緊張から手が震えた」というが、徐々に実力を発揮した。憧れの社会人と対戦した2回戦、続く準々決勝はいずれも同点となり、3種目成功の速さを競うタイム戦で競り勝った。準決勝は2022、23年覇者の大学生に快勝。決勝では、けん玉界のホープといわれる中学生をタイム戦で退けた。
会場で父秀継さん(50)、母ジョセリンさん(55)の応援を受け「自分は無名だが、高校最後の大会で優勝できてうれしい。指導員や仲間、家族の支えがあってこそ」と感謝する。
けん玉普及員の資格を持つ祖母イツ子さん(81)に3歳から教わり、大川内小学校5年の時、19歳以下が取得できる最高位5段に合格。数々の大会に挑み、2年前に日本けん玉協会2級指導員の資格を取得した。
8時間練習した日もあったが、大学受験を控え、1日1時間の練習で技と集中力を磨いた。数学教師を目指しており「子どもたちにけん玉の楽しさや魅力を広めたい」と目を輝かせた。