よく調べたら新種だった…涙目の魚だから「ナミダクロマスク」 鹿児島大などの研究チームが発見

2025/09/01 11:36
繁殖期の雄のナミダクロマスク(加藤昌一氏提供)
繁殖期の雄のナミダクロマスク(加藤昌一氏提供)
 鹿児島大学総合研究博物館(鹿児島市)などの研究チームは、ヘビギンポ科クロマスク属の魚を新種と特定し、標準和名を「ナミダクロマスク」とした。繁殖期の雄には、目の下に青い棒状の模様が現れる特徴から、涙を連想させる和名にした。8月4日に学術誌に掲載された。

 西太平洋に広く分布する別種と混同されてきたが、ダイバーらから新種の可能性が指摘されていた。今回の研究で、目の下にある模様の位置や、頭部の黒色域の範囲が異なることが分かった。学名「ヘルコグラマ フラマータ」は、繁殖期の雄がオレンジ色の体色となることに由来し、「燃えるような」という意味のラテン語「フラマータ」を盛り込んだ。

 体長約3センチ。日本本土の太平洋岸や伊豆諸島などの浅い岩礁に生息し、南九州市頴娃の番所鼻近海でも見つかっている。名付け親の博士課程2年出羽優凪さん(25)が新種を見つけたのは、今回で3例目。「身近で目にする魚にも、分かっていないことや新発見がたくさんある。研究を続けたい」と意欲を見せた。

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