オスプレイ…ぬぐえない事故不安――搭乗8人死亡した2年前の屋久島沖墜落、後を絶たない緊急着陸…今度は日米10機近くが集結「普天間並みの騒音に驚くだろう」 鹿屋で日米実動訓練

2025/09/09 18:03
海上自衛隊鹿屋航空基地に降り立つ米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ=8日午後0時33分、鹿屋市野里町
海上自衛隊鹿屋航空基地に降り立つ米海兵隊の輸送機MV22オスプレイ=8日午後0時33分、鹿屋市野里町
 沖縄県の米軍普天間飛行場に所属する輸送機MV22オスプレイ5機が8日、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地に飛来した。陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市)のV22オスプレイと共に、11〜25日に計画されている自衛隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」に参加する。

 米軍輸送機オスプレイは2012年に国内配備され、鹿児島県も在日米軍の飛行ルートに入った。墜落や着陸失敗などの事故が国内外で相次ぐ中、23年11月には屋久島沖で搭乗員8人全員が犠牲となる墜落事故が起きた。事故を受けてオスプレイは一時、全世界で運用停止となったが、24年3月の運用再開後は民間空港に予防着陸する機会が目立つ。県内では17年以降、計17回確認されている。

 民間空港への着陸は奄美、沖永良部、徳之島、与論の各空港に緊急着陸し、いずれも警告灯が点灯したなどの予防的な着陸だった。屋久島沖の墜落事故は、ギアボックスと呼ばれる変速機の破損と、警告灯が点灯しても予防着陸しなかった操縦士の判断ミスが原因とされている。ただ根本原因は特定できていない。

 日米合わせて10機近くが参加する今回の訓練について、奄美で長年、低空飛行を監視する上島啓さん(51)=奄美市名瀬=は「1機でもすごい騒音。普天間飛行場並みの騒音に鹿屋市民は驚くだろう」とし、米オスプレイ飛来の常態化を危ぶむ。「鹿屋が馬毛島基地が完成するまでの拠点となるのではないか。使用頻度が高まれば、当然事故の危険性も高くなる」と危惧した。

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