鹿児島市電(路面電車)が値上げ 来年8月から170→200円に 人件費高騰が続き、さらなる値上げも示唆

2025/09/10 11:00
大人運賃30円値上げの方針が示された鹿児島市電=9日、同市金生町
大人運賃30円値上げの方針が示された鹿児島市電=9日、同市金生町
 鹿児島市交通局は9日の市議会代表質問で、市電の大人運賃を2026年8月から200円に値上げする方針を明らかにした。現行の170円から30円増となる。人件費高騰などの影響で将来、赤字転落の可能性が高く、安定運行の継続へ向けた財源確保が理由。子ども運賃(80円)や定期券料金は今後検討する。

 市交通局によると、値上げ幅は黒字維持に加え、他都市の状況を踏まえて設定した。24年度決算見込みでは、電車事業単体で5748万円の黒字ながら、バスを含む交通事業全体では5億2936万円の赤字となる。枝元昌一郎局長は「運賃改定しなかった場合、(交通事業は)28年度以降に資金不足比率が経営健全化基準(20%)を超える見込み」と説明した。

 運賃を改定した後も、交通事業は厳しい収支状況が予想されるとして、枝元局長は「市電、市バスの増収対策の検討が必要」と、さらなる値上げの可能性を示唆した。

 値上げは、25年度中に策定する交通事業経営計画の見直し素案に盛り込む。9月下旬からのパブリックコメント(意見公募)を経て、年内に計画をまとめ、市議会3月定例会に関係議案を提出する予定。

 市電の運賃が改定されれば、消費税増税に伴い160円から10円値上げした14年4月以来。市バス運賃は23年10月に値上げした。

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