〈資料写真〉飛行中に窓が落ちたヘリの同型機(イギリス海軍ホームページより)
英軍のヘリコプターAW101の操縦席左側の窓が10日午後2時40分ごろ、鹿児島湾に落下した。窓は長さ1.5メートル、幅2.5メートルで見つかっていない。ヘリは鹿児島空港(霧島市)へ緊急着陸した英軍戦闘機のパイロットを輸送するため飛来していた。防衛省によると、被害の情報は入っていない。
防衛省によると、窓は鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地から約12.9キロ西の鹿児島湾に落下したとみられる。窓の材質や重さ、厚さは分かっていない。ヘリは、海上自衛隊や米軍などと訓練するため日本近海に展開する英軍空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の艦載機。同じく艦載機で、8月に鹿児島空港に緊急着陸した戦闘機F35Bの離陸のため9月10日、パイロットを乗せて空母を出発した。
午後1時40分ごろ、ヘリは鹿児島空港に飛来し、午後2時半ごろ離陸。空母へ戻る途中に窓が落ちたが、安全に航行できると判断してそのまま帰艦した。F35Bは午後5時ごろ、空港を飛び立った。
鹿児島県によると、10日午後8時15分ごろ、九州防衛局から県へ情報提供があった。防衛省は鹿屋市や漁協などにも情報提供した。
塩田康一鹿児島県知事は南日本新聞の取材に、「人がいる場所に落ちたら大変なことになる。再発防止を徹底してほしい」と要望。発生から県への情報提供まで約5時間半要した点については「できるだけ早く教えてもらう必要がある。住民の安心安全の観点からトラブルが起きた後の対応も重要だ」と話した。
防衛省は「外国軍機の運用は安全確保が大前提。万全を期すよう求めた」として英軍に原因究明を要請した。