小児がんと闘う子ども・家族を歌で支えたい…還暦から音大で学び直した声楽家、故郷の鹿児島で11月にリサイタル

2025/09/14 20:33
帰郷公演を前に音合わせをする池田敏彦さん(手前)=8日、鹿児島市加治屋町
帰郷公演を前に音合わせをする池田敏彦さん(手前)=8日、鹿児島市加治屋町
 鹿児島大学混声合唱団ポリフォニーコール出身で、小児がん患者の支援活動に取り組む声楽家、池田敏也さん(66)=埼玉県上尾市=のリサイタルが11月8日、鹿児島市のサンエールかごしまである。還暦を機に音楽大学で本格的に声楽を学んだ熱血漢。意気に感じた合唱団仲間が手弁当で支える。

 鹿児島市育ちの池田さんは大学卒業後、生命保険会社に就職し主に首都圏で勤務した。定年退職を控え、テノールだった大学時代に憧れていたバリトンを習得しようと、武蔵野音楽大学別科声楽コースに入学。新型コロナウイルス禍まで1年学び、声楽家として活動を始めた。

 3年前、1歳半の孫娘が小児白血病で緊急入院。今は寛解したが、幼い身の闘病生活と支える家族の苦労が身にしみた。以来、小児がんの早期発見・治療への理解を広めるゴールドリボン活動に加わり、演奏会の益金を寄付している。

 鹿児島公演は昨年に続いて2回目。ソプラノやピアノ、バイオリン、サックスの応援を得て、クラシックのほかジャズ、歌謡曲など多彩な演奏を披露する。池田さんは「楽しかったね、と言ってもらうのが私の喜び。併せて小児がんについて知ってもらえるとありがたい」。合唱団仲間の原ゆみ子さん(67)=同市加治屋町=は「同級生が歌い続けていることは誇らしい。素晴らしい歌声をぜひ聞いてほしい」と話す。

 午後2時開演。全席自由で大人1500円、大学・高校生1000円、中学・小学生500円。問い合わせは原さん=090(8413)0829。

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