慰霊碑に献花する戦艦ミズーリ記念館のマイク・カー会長=27日、南九州市知覧
鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館で27日、戦艦ミズーリ記念館(米ハワイ州)との姉妹館提携5周年を記念する式典があった。塗木弘幸市長とミズーリ記念館のマイク・カー保存協会長が記念品を交換し、戦後80年の節目に恒久平和に向けて共に歩むことを誓った。
ミズーリは1945年4月、喜界島沖で鹿屋基地の特攻機から攻撃を受けた。甲板に投げ出された特攻隊員の遺体を艦長が手厚く水葬するよう部下に命じたことで知られる。終戦時には、日本の降伏文書の調印式が東京湾において同艦上で行われた。船体は現在、ハワイの真珠湾で一般公開されている。
両館は2020年、戦争の悲惨さを伝え、平和の尊さを訴えようと協定を結んだ。式典で塗木市長は「平和を願う心で両館がつながり、未来に向けて手を取り合う姿は次世代にとって希望の象徴になる」とあいさつ。カー会長は「特攻隊員の遺書や手紙は、文化や世代を超えて心に響き続ける。これからも和解と平和への道を共に歩む」と述べた。
特攻平和会館では、特攻機の突入から80年となる今年4月にミズーリであった追悼式典の写真展を開催中。ミズーリ乗組員の日記や特攻機の破片も展示している。12月26日まで。
カー会長は式典後、特攻平和会館の展示物を視察。旧陸軍知覧飛行場に墜落し、犠牲となった米軍機の乗組員を追悼する慰霊碑にも足を運び献花した。