初めて釣ったオキフエダイ=9月23日、伊仙町鹿浦港
〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉
9月下旬に徳之島を訪れた。徳之島といえば、闘牛のイメージがある。大きな大会が開かれると、島は熱気に包まれる。しかし、それだけではない。毎年恒例のトライアスロンやサーフィン大会も盛んで、シュノーケリングやダイビングを楽しむ人も多い。
奄美群島の一つ、徳之島は魚種が豊富で、釣り場としての魅力は抜群だ。今回は2泊3日の旅。時間の許す限りさおを握った。初日は釣り場の下見に充てる。見知らぬ土地では、情報収集が釣果を左右する重要な要素だ。実は小学生時代に4年間、徳之島で暮らしていた。今の釣り好きの原点は、島での家族との釣りにある。
今回は当時の友人らに有望なポイントを教えてもらい、朝5時半に釣りをスタート。朝焼けの美しい海は貸し切り状態だったが、期待に反してアタリはなかった。午後からは気持ちを切り替え、サンゴ礁帯へ移動。大潮の干潮という好条件があり、遠浅の海をかなり沖まで歩いて行けた。
キビナゴを付けた仕掛けをくぼみに落とすと、カンモンハタがヒット。姿はオオモンハタに似ている。鹿児島本土では見かけないが、ここではポピュラーな魚らしい。歩きながら大物ポイントを探していると、地元の釣り人に遭遇。見ると、夜行性のヤイトハタやフエダイの3キロを超える大物を、真っ昼間から上げているではないか! 島のポテンシャルの高さを改めて実感させられた。
翌朝ははやる気持ちを抑えきれず、前日より1時間早く同じポイントへ。外は真っ暗。手元の感覚だけが頼りだったが、突然ひったくられるようなアタリが。何とか引き寄せ陸にあげると、姿を現したのはオレンジ色に輝く美しいオキフエダイ。私も初めて釣り上げた魚だった。
かくして私の徳之島釣行は幕を閉じた。地元の人々の温かさや島のグルメにも支えられ、充実した時間を過ごせた。第二の故郷ともいえる徳之島。またこの海でさおを出す日が楽しみだ。