商品を棚に並べ、営業再開に向けた準備を進める日当山無垢食堂のスタッフ=8日、霧島市隼人町内の日当山無垢食堂
8月の記録的大雨で被災し休業していた鹿児島県霧島市隼人町内の「日当山無垢(ひなたやまむく)食堂」は、復旧作業が進み、13日に物産品販売所の営業を再開する。多くのボランティアやクラウドファンディング(CF)で集まった1000万円超の支援が後押しした。当日は記念イベントを開き、感謝を伝える。
同食堂は観光施設「日当山西郷どん村」にあるレストラン併設型の物産館。大雨で近くの天降川が氾濫し、床上約1メートルの高さまで浸水。書き入れ時のお盆を控えて多めに仕入れた食料品や雑貨が流され、厨房(ちゅうぼう)機器やレジ、空調設備なども泥水に漬かった。
商品も設備も壊滅的な被害を受けたが、全国から集まった約150人のボランティアが汗を流し、泥のかき出しや設備の洗浄、修理を手伝った。CFで費用を募ったところ、約1カ月間で740人から1004万円余が寄せられ、営業再開にこぎつけた。
松枝俊顕支配人(44)によると、休業中も「大好きな場所」「再開を待っています」など温かいメッセージが数多く届いた。松枝さんは「大勢の人が待ち望み、地域に愛されていると実感した」と感謝する。
思いに応えるため、復旧を機に店内のレイアウトを見直し、生活雑貨など品ぞろえを充実させて、より魅力的な店を目指す。松枝さんは「いただいた多くの支援を力に変え、いろんな人に楽しんでもらえるような店にしたい」と話した。
復興イベントは午前10時~午後4時。豚汁やパンケーキの振る舞い、陶器市、竹箸作りなどワークショップがある。レストランは14日から営業する。