かつて市長は、自衛隊基地反対を掲げて当選した…「米軍再編交付金の受け取りは、市民への裏切りだ」――馬毛島訴訟・第5回口頭弁論、原告男性が訴え

2025/10/15 11:48
〈資料写真〉自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
〈資料写真〉自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備を巡り、防衛省への市有地売却は裁量権を逸脱しており違法などとして、市民が八板俊輔市長と国に損害賠償を請求するよう市に求める住民訴訟の第5回口頭弁論が14日、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)であった。原告の牧洋一郎さん(75)=西之表市=が「基地建設不同意を掲げて当選した市長が米軍再編交付金を受け取るのは市民への裏切りだ」と訴えた。

 牧さんは、馬毛島の一部に漁業者の入会権があることを2015年に最高裁が認めた訴訟に携わった。「種子島は主農副漁の島。地域再生を図るには農業や漁業を基礎に考えるべきだ」と基地経済に頼らない島の将来を強調した。

 原告団は13日、馬毛島の葉山港に上陸した。島周辺を漁場とする漁師や市民団体と共に「馬毛島を壊すな」とシュプレヒコールを上げた。防衛省の職員に島内の民有地や入会地への通行を求めたが、「権利関係を確認中」などとして港より奥への立ち入りは拒まれた。

 八板市長は過去2度の市長選で基地整備に反対の立場を取っていた。3度目となる2月の選挙では基地整備について賛否に触れず、当選した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >