地域の農家の協力で、芋掘りを体験する児童=指宿市山川岡児ケ水
鹿児島県指宿市の山川小学校の1年生37人が、同市山川岡児ケ水の畑でサツマイモを収穫した。学校農園で例年通り自分たちで育てていたが、鳥獣による食害で収穫間近に全滅。児童のピンチを聞きつけた地域住民が急きょ体験を提供した。
児童らは5月、学校敷地に隣接する農園にサツマイモの苗約100本を植えた。9月の収穫を目指し、水やりや草取りをして育ててきたが、夏休み中に侵入したイノシシやサルに大半を食べられてしまった。
事態を知った学校応援団の本田終一さん(68)が、同校に毎年苗を提供する農家の坂元正さん(66)に相談。坂元さんも「せっかく植えたのに収穫できないのはかわいそう。思い出をつくってあげたい」と、紅はるかの出荷を控えた畑の一角を提供した。
10日の体験前には、掘り取り機を使った収穫の様子を実演。掘ったイモは児童が持ち帰った。参加した寺村心花さんは「育てたイモが食べられたときはとても悲しかったけれど、地域の人のおかげで体験できてうれしい。袋に入らないくらい大きなイモが掘れた」と笑顔だった。