〈詳報〉「H3」打ち上げ成功は5機連続 補助ロケットが2基多い「新形態」、大型で重い探査機も対応可に 補給機のISS到着は30日未明を予定

2025/10/27 06:00
打ち上げ後の会見を終え、笑顔を見せる各部門のプロジェクトマネージャ=26日、南種子町の種子島宇宙センター
打ち上げ後の会見を終え、笑顔を見せる各部門のプロジェクトマネージャ=26日、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日午前9時0分15秒、国際宇宙ステーション(ISS)へ食料や実験装置を運ぶ新型無人補給機「HTV-X」1号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターからH3ロケット7号機で打ち上げた。約14分後に予定軌道でロケットから分離され、打ち上げは成功した。ISS到着は30日未明を予定する。H3の打ち上げは5機連続での成功となった。

 HTV-Xは、2009~20年に9回の補給を全て成功させた「こうのとり」の後継機。全長約8メートル、直径約4.4メートルの円筒形で、運べる荷物は1.5倍の約6トンに増えたほか、電源を必要とする冷凍庫や実験装置を輸送できるようになった。将来は、月を周回する宇宙基地への補給機に発展することが期待されている。開発費は約356億円。

 高度400キロのISSへ近づくと、滞在中の油井亀美也飛行士(55)がロボットアームでつかみ、結合させる。荷物を搬出し、数カ月係留した後は廃棄物を積んで出発。すぐに大気圏に突入して焼却処分となったこうのとりと異なり、地球の低軌道を周回する実験室の機能を持つ。今回は約3カ月かけて超小型衛星の放出や軽量の通信アンテナ展開などの実証試験をする。

 H3ロケット7号機は、主エンジン2基と補助ロケット4基の「2-4形態」と呼ばれるタイプ。補助ロケットがこれまでより2基多い新たな形態で、大型で重量のある探査機の打ち上げが可能になる。一度に多くの人工衛星を打ち上げたい顧客のニーズにも対応することを目指す。

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