面会後の会見で感想を述べる市川健一さん(中央)=28日、東京都内
トランプ米大統領は28日、東京・元赤坂の迎賓館で北朝鮮による拉致被害者の家族と短時間面会した。高市早苗首相も同席した。
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28日の拉致被害者家族とトランプ米大統領の面会には、1978年に鹿児島県日置市の吹上浜で拉致された市川修一さん=失踪当時(23)=の兄健一さん(80)も出席した。6年ぶり3回目の面会に健一さんは、「米朝首脳会談を経て、日朝首脳会談につながればありがたい」と述べ、膠着(こうちゃく)した状況の打開に期待感を示した。
家族会によると、同日の面会には9家族14人が出席した。ルビオ国務長官に会うために内閣府から迎賓館に向かったが、直前に写真撮影でトランプ氏も同席すると伝えられたという。
健一さんは「(トランプ氏と)記念撮影ができることになり皆の顔がほころんだ」と明かし、「拉致問題を改めて認識してもらったことは大きな意義がある。米朝首脳会談で提起してくださると思う」と語った。ルビオ氏には「全員が帰ってくるまで力を貸してください」と伝えた。
市川さんとともに拉致された増元るみ子さん=同(24)=の弟照明さん(70)は面会が短時間ということもあり出席を見送った。取材に「米側に対して期待感はない。(5人の帰国から)23年もたっており、日本側が覚悟を持って取り組むほかない」と話した。