アボカドの葉でお茶を試作…「飲みやすい」「意外と癖がない」と好評 鹿児島県立短大と出水の生産者ら協力 ポリフェノールやビタミンC豊富

2025/10/29 07:30
アボカドの茶葉(手前右)と水で抽出した茶。色味は緑茶より黄色がかっている
アボカドの茶葉(手前右)と水で抽出した茶。色味は緑茶より黄色がかっている
 鹿児島県内で生産が広がるアボカドを、果実だけでなく栄養価が高い葉も活用しようと、県立短期大学(鹿児島市)が出水市の生産者らと協力して「アボカドリーフ茶」を試作した。県内での製造は初めて。試飲会などでニーズを探り、商品化につなげたい考えだ。

 かごしま環境未来館(鹿児島市)で開かれた環境フェスタに18日、アボカド茶の試飲ブースを設置した。「飲みやすい」「意外と癖がない」など、口にした来場者の反応は上々。同市坂之上7丁目のヨガ講師、高橋直美さん(65)は「緑茶とは違う、ハーブやスパイスに近い香り。栄養が豊富なら試してみたい」と話した。

 試作を主導した県短大生活科学科の木下朋美助教(48)によると、アボカドは結果率が花1万個に1個と低い。そこで葉の活用に着目。ポリフェノールやビタミンCなどが豊富に含まれることが分かり、お茶の開発を提案した。

 生産者12戸でつくる「出水市アボカド振興会」の協力を得て、7月に葉26キロを摘採。同市の製茶業者が、緑茶とほぼ同じ工程で加工して試作茶が完成した。粉末にして練り込んだパンはヨモギに似た風味で、茶には抽出されない脂溶性のビタミンEも取れるという。

 農林水産省は、温暖化で影響を受けるかんきつ類の転換作物としてアボカドを挙げる。県内では出水市、南大隅町、さつま町などが栽培に力を入れている。木下助教は今後、葉の収穫に適した時期や、消費者の好みなどを調査し「農家の新たな収入源につなげたい」と話した。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >