鹿児島県枕崎市のかつお節工場で2018〜23年に技能実習生として働いたフィリピン人女性4人が、監理団体の不当な行動制限で精神的苦痛を受けたとして、市水産物振興協同組合などに約970万円の損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が29日、鹿児島地裁(窪田俊秀裁判長)であり、組合の実習監理責任者だった女性は不当な処遇を否定した。
元監理責任者は尋問で、妊娠防止のため異性との会話を制限されたり、規則を破ると数時間立たされたりしたとする実習生の訴えに「心当たりがない」と反論した。外出と外泊の際に事前申請を義務付けたのは、外出先でのトラブル防止や出勤管理などのためだったとして「不当な制限には当たらない」と主張した。
就業時間の異なる十数人が一つの部屋で暮らす宿舎については「集団生活で日本の暮らしに慣れさせるため。劣悪だったとは思っていない」と述べた。一方、原告4人とは通訳や翻訳アプリで会話しており、「きちんと意思疎通できていたかは分からない」と話した。
次回は11月20日に弁論があり、結審予定。