塩田康一知事(左)に要望書を手渡す肥薩線利用促進・魅力発信協議会=29日、県庁
2020年7月の豪雨被災で不通が続くJR肥薩線の「山線」と呼ばれる人吉(熊本県)-吉松(鹿児島県湧水町)間について、肥薩線の沿線16市町村でつくる利用促進・魅力発信協議会は29日、復旧に向けて沿線自治体に熊本、宮崎両県を交えた議論の場を早期に設けるよう鹿児島県に要望した。
山線と同じく不通の八代(熊本県)-人吉間の通称「川線」は今年3月、JR九州と熊本県、国の3者でつくる検討会議で復旧が決まった。熊本、鹿児島、宮崎3県は4月から、山線復旧を目指し担当課長による意見交換を始めている。
協議会長を務める人吉市の松岡隼人市長、霧島市の内達朗副市長、湧水町の牧元三郎副町長が県庁を訪れ、塩田康一知事に要望書を手渡した。議論の場を通じて利用促進策や課題を整理し、検討会議開催などにつなげるよう求めた。
塩田知事は「自治体と意見交換しながら取り組みたい」と議論に前向きな姿勢を示した。松岡会長は「川線は熊本県と沿線自治体が議論を重ねて復旧につながった。山線でも関係者間が連携するのが重要だ」と話した。熊本県にも要望し、宮崎県も来月訪問する。
協議会は同日、今年8月の記録的大雨の影響で年内不通見通しとなった吉松-隼人間に関して、早期の再開と休日の代替輸送運行をJR九州鹿児島支社に要望した。