 
                盗難防止にはチェーンで二重ロックすると効果的だ(画像は一部加工しています)=鹿児島市上荒田町
                
             
                 バイクの盗難が鹿児島県内で急増している。県警は1~8月に96件認知し、前年同期比で54件も増えた。住宅での被害が最も多く、鍵をかけていても盗まれたケースは多い。県警は「対策のポイントは盗みにくいと思わせられるかどうか」と注意を呼びかけている。
 県警によると、盗まれた96件のうち、鍵を差し込んだままが41件、鍵をかけたにもかかわらず取られたのが55件あった。住宅で盗まれるケースが最多で、37%が一戸建てやマンション、アパートでの被害だった。市町村別でみると鹿児島市が最も多く70%を占めた。
 県内7店舗でバイクを販売するフォーラム(鹿児島市上荒田町)の久保山茂社長(54)の元には今年に入り、盗難に遭った20代男性が訪れた。「盗難届を出していた250ccのバイクが見つかったが、配線を切られていた」という。
 久保山社長は「配線をいじればエンジンをかけられると試したが、できなかったのだろう」と推察。「ハンドルロックをした上で、チェーンロックをするなど複数の対策が重要」と話した。鍵穴をふさぎ、いたずらや盗難を防ぐキーシャッターも効果的だと勧める。
 防犯意識を調べようと、10月上旬の日曜夕方、鹿児島市の商業施設で施錠状況を確認した。駐車されていた65台のバイクのうち二重ロックをしていたのは1台で、鍵を差し込んだままのバイクは2台あった。
 県警生活安全部の楢原貞行管理官は「人に見られないうちに素早く盗みたいと考えるのが犯人の心理。バイクカバーをするなど、取るにも手間がかかると思わせることが大切」と啓発した。