【川内原発に乾式貯蔵施設を新設】「使用済み核燃料の最終処分場化する」との地元不安に九電社長「青森へ搬出する。方針ぶれてない」

2025/11/01 06:00
記者の質問に応じる九州電力の西山勝社長=31日、福岡市
記者の質問に応じる九州電力の西山勝社長=31日、福岡市
 九州電力の西山勝社長は31日の定例会見で、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)敷地内に使用済み核燃料の保管容量を増やすため新設する乾式貯蔵施設について、「日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働が前提だ」と述べた。再処理工場の完成は大幅に遅れ、地元に川内の最終処分場化を懸念する声があることに対し「基本方針は全くぶれていない。青森へ搬出することになる」と改めて強調した。

 川内で使用済み燃料を保管しているプールは、現状では2031年に満杯となる見通し。九電は乾式貯蔵施設の新設で、38年まで運転が可能になるとしている。西山氏は「信頼性、運用性の向上を図る。地域の信頼に向け、積極的な情報公開に努める」と述べた。

 一方、川内の1号機が「60年運転」の認可を受けているのは44年7月まで。再処理工場が稼働しなければ、60年運転はできない可能性がある。この点について西山氏は「再処理工場は26年度中の完成と聞いている。これからも電力会社として全面的に支援し竣工を目指す」と繰り返した。

 薩摩川内市の火力発電跡地に国内最大級のデータセンター建設が計画されていることには「AI(人工知能)をバックで支えておりニーズは高まる。地元への経済効果は高い」と歓迎し、電力の安定供給を強調。川内原発3号機増設には言及しなかった。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >