馬毛島への思いを訴える原告の浜田純男さん=5日午後3時40分ごろ、宮崎市
鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地建設によって漁を営む権利が侵害されたとして、地元漁師が国に工事差し止めを求める訴訟の控訴審第2回口頭弁論が5日、福岡高裁宮崎支部であった。漁業権放棄に関する原告側の文書送付嘱託申し立てを小田島靖人裁判長が認め、継続審理となった。
原告側は基地建設に伴い種子島漁協が多数決で漁業権を一部放棄した決議は、馬毛島沿岸に漁業権を持っていた西之表と住吉地区(関係地区)の漁民の同意を得ていないため違法と主張。被告側は同意は得ているとして当時の新聞記事を提出した。
原告側は、関係地区の組合員の同意が得られていることを示す文書などの送付嘱託を申し立て、認められた。裁判所が種子島漁協に文書の送付を依頼する。次回期日は来年1月28日。
原告側は弁論後、航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)の爆音訴訟で被害が認められた原告らと共に集会を開いた。馬毛島の基地建設の遅れを受け、防衛省はF35Bステルス戦闘機について新田原基地で離着陸訓練する方針を打ち出し、4日に訓練を始めた。