ビデオ会議システムで宝島の地域活性化策を発表する宝島学園の生徒=鹿児島市の十島村役場
鹿児島県十島村宝島の義務教育学校、宝島学園の7、8年生6人が、それぞれの視点で考えた島の魅力を生かす地域活性化策を村に提言した。学校と鹿児島市にある村役場をビデオ会議でつなぎ、久保源一郎村長や村職員に向けて思いを語った。
村内各島にある7義務教育学校は総合的な学習の時間を「トカラ科」と名付け、それぞれの島の観光資源や文化、地域課題を掘り下げて学んでいる。宝島学園は生徒の表現力向上や社会参画体験を目的に、今回初めて生徒自身が直接役場に提案する機会を設けた。
中学1、2年に当たる生徒たちは9月から宝島が抱える課題を人口減少に焦点化し、「10年後に望む宝島の姿」をイメージ。9時間かけ、島民にも現状や将来の展望を聞き取って考えを深めた。
提言は10月24日あり、生徒は1人ずつ図表などを使って発表した。8年の竹内楽花さんは、移住後の生活をイメージしやすくする「職業体験型ボランティア」を提案。島民が相談役となる制度を設けて不安解消に努め、体験者が「『ただいま』と言える島をつくりたい」と語った。「アーティストの想像力を育む場所に」「波力発電導入で仕事を創出し人口増につなげる」といったアイデアも出た。
役場職員らはそれぞれの提案に対し、熱心に質問。発表後、久保村長は「人口増は喫緊の課題。定住の前段階として島外の人といかにつながりを持つか、島に暮らす若い世代がさまざまなアイデアを出してくれてありがたい」と話した。
生徒たちは11月中に地元住民にもプレゼンテーションを予定している。