〈詳報〉出水で今季初の高病原性鳥インフル検出 ねぐらと河川の水から 監視強化の県「死んだ野鳥に触れず、自治体に連絡を」

2025/11/07 21:50
道路にまいた消石灰をほうきで均等にする出水市職員=7日午後、同市荘
道路にまいた消石灰をほうきで均等にする出水市職員=7日午後、同市荘
 鹿児島県は7日、出水市の水鳥のねぐらと河川で採取した水から、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。野鳥由来とみられ、県内での確認は今季初めて。野鳥関連では全国で12、13例目。県によると、採取地点周辺で野鳥の死骸や養鶏場での異常は確認されていない。養鶏農家に侵入防止対策や消毒の徹底を呼びかけている。

 県自然保護課によると、荒崎地区のねぐらと江内地区の河川の2カ所で3日に採取した水から検出された。環境省は採取地点から半径10キロを野鳥監視重点区域に指定。県は区域内で野鳥の監視を強化している。

 県家畜防疫対策課によると、採取地点から半径3キロ以内には採卵や食肉用の養鶏場(100羽以上)が9カ所あり、計39万9000羽が飼われている。

 水の採取はツルやカモがいる干拓地近辺で行った。ねぐら2カ所と河川やため池10カ所の計12カ所のうち2カ所で高病原性が確認された。今季、ねぐらからは初めて水を採取し、河川では4回目だった。県自然保護課は「死んだ野鳥には触れず、県や市町村に連絡して」としている。

 県内の養鶏場では昨季、出水市と霧島市2カ所の計3カ所で高病原性鳥インフルエンザが発生し、計32万羽を殺処分した。

■流行シーズン到来に県と出水市が警戒呼びかけ

 出水市の野鳥のねぐらなどの水から、鹿児島県内今季初の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された7日、県や市は流行シーズン到来に警戒を強めた。全国では既に養鶏場で発生しており、ウイルスの侵入防止対策の徹底を訴えた。

 全国の家きんでは今季、過去2番目に早い10月22日に北海道で発生。以降7日までに計3例出ている。

 県家畜防疫対策課の藏薗光輝課長は「発生が早いと件数、殺処分数ともに大規模になる可能性が高い。近年は再発やウインドレス鶏舎での発生があり、強い警戒が必要」と話した。10日、関係機関や団体を集め県庁で防疫対策会議を開く。

 出水市は7日、野鳥が集まる東干拓や荒崎の周辺13カ所に消石灰をまいた。愛がん鳥を飼養する市民向けに、定期的な鳥小屋の清掃や消毒といった対策を公式LINEなどで呼びかけた。

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