農作業の手を休め、春日園の川路到さん(右)と談笑する徳重直樹さん=日置市伊集院町中川
鹿児島県日置市は農業の担い手不足解消に向けて、休日限定で職員のアルバイトを認める制度の試行を始めた。第1号となる消防本部通信指令室の徳重直樹さん(37)が、市内の茶畑で作業に励んだ。
地方公務員法は副業を原則禁じているが、市長ら任命権者の許可があれば可能。県内外で導入が広がりつつある。市は労働力の提供と、現場での学びを行政サービス向上につなげるのが狙い。今夏に導入した。
対象者は在職1年以上の一般職で、週8時間以内、月30時間以内。希望者はスマートフォンアプリを活用し、市内の事業者限定でマッチングする。有償で作業し、市に活動報告する。
徳重さんは10月31日、伊集院町中川の春日園で木の植え直しなどの作業に取り組んだ。同園は有機栽培のため人の手で草取りをする必要があり、ミャンマー人らも従事するが、慢性的に人手が不足しているという。代表取締役の川路到さん(52)は「若い人に来てもらえて助かる。職員に仕事を分かってもらえるのも意義がある」と歓迎。徳重さんは「作業は楽しく、経験は普段の業務に役立つ。他の職員にも広げられたら」と語った。