商業施設の駐車場に出没したサル=11日午前9時20分ごろ、鹿児島市与次郎1丁目
鹿児島市内各地で10、11日の両日、野生のサルが相次いで目撃された。市生産流通課によると、2日間で34件の情報が寄せられた。2匹のサルがそれぞれ単独行動していたとみられ、人的被害はない。専門家は「目を合わせたり、過度に怖がったりしないでほしい」と注意を呼びかけている。
同課によると2日間にわたって、1匹は西別府町から田上台、谷山方面に移動し、11日午後1時半ごろに平川町周辺の山に戻った。もう1匹は、西陵方面から上之園町や天保山町、中央町などを回り、11日午後4時半ごろ、稲荷町付近の山に入ったとみられる。
同日午前7時半ごろ、JR鹿児島中央駅近くのベル通りで目撃した鹿児島市の50代男性公務員は「すれ違う人に向かってキーと声を出し、逃げるように駅のタクシー乗り場まで移動するのを見た」と話した。
平川動物公園(平川町)の福守朗園長(55)は断定は難しいとした上で「ニホンザルの若いオスは繁殖期を迎える前の4〜9月にかけて、新しい群れに入ろうと移動する習性がある。今回の目撃情報は、居場所を見つけられないままのサルが市街地に迷い込んだ可能性がある」と指摘した。
福守園長は注意点として「餌を絶対に与えてはいけない。追い払うときは複数人で対応してほしい」と話した。