デビュー戦で果敢に攻めるダゼー鹿児島選手(左)=鹿児島市のオロシティーホール
プロレス団体「JTO」に所属する薩摩川内市出身のDAZee(ダゼー)鹿児島選手(18)=本名非公表=が、鹿児島市でデビュー戦に臨んだ。同市の特別支援学校高等部をこの春に卒業し、夢だったレスラーとなって凱旋(がいせん)。大きく成長した姿を、家族や恩師、同級生が見守った。
ダゼー選手は小さい頃から、人とのコミュニケーションが得意ではなかったという。学習障害があって中学、高校は特別支援学校に通った。プロレスは好きで、動画をよく見ていた。
卒業後はパソコンを使う仕事を検討したが、転機は高校3年の秋。鹿児島を訪れたJTO代表と会い、「やる気があれば来い」と言われて決断した。母親も「他の人より社会でやれることは少ない。それならば、やりたいことをやればいい」と前向きに送り出したという。
卒業後に上京し、集団生活をしながら練習に励む。リングネームは語尾に「だぜ」を付けるくせから取った。3日にあった初の試合は、果敢に攻めたものの黒星。それでも観客から大きな拍手を浴び、リング上で感謝を述べた。高校3年時の担任だった中島史人さん(33)は「プロレスをすると聞いたときは不安だったが、しっかり話ができていた。成長したなと感じた」。
試合前は緊張と不安があったというダゼー選手は「めちゃくちゃ最高だった」。もっと迫力あるレスラーになって、鹿児島に戻ることを誓った。