曽於市大隅の物産館「北マーケット」協議会長の桑原明美さん
■かお・鹿児島県曽於市大隅の物産館「北マーケット」協議会長の桑原明美さん
17年ほど前にコンビニが閉店して、中心部から商店が消えた鹿児島県曽於市大隅の坂元地区。地域の女性10人が協議会を立ち上げ、運営を始めたのが物産館「北マーケット」だ。その責任者として店を切り盛りする。
長い間、地区民は岩川や霧島市、宮崎県都城市など近隣に車で買い出しに出かけるしかなく、買い物支援が課題だった。それだけに開店式があった10月25日は、子どもから高齢者まで大勢の人が訪れて門出を祝った。
開店のあいさつで「どうにかこの日を迎えられた」と支援者や住民に感謝した。「素人同然の協議会員で、まだ不足の部分がたくさんある」と率直に胸の内も吐露した。
3年前、大隅北校区公民館内にコンビニの跡地活用検討委員会が設置された。近隣のまちの物産館を見て回りながら「どんな店にするか、地域のお母さんたちとイメージしていった」。その結果、まずは農家に取れたての野菜を出荷してもらうことにした。店は県道志布志福山線沿いに立地しており、弁当はドライバーらにも人気がある。
今後はサツマイモのてんぷら「がね」など総菜も充実させるつもりだ。店内には気軽にお茶が飲めるようにテーブルと椅子もある。「開店してにぎやかな感じが出てきたと思う。人が集まれば自然と会話も弾む。地域の元気につながればいい」
自ら小物入れなどハンドメイドも手がける。2人の娘は独立し、曽於市大隅町中之内で電気工事業を営む夫と暮らす。59歳。