桜島で大規模噴火が起きそうになったら… 住民含む1500人が防災訓練 陸自ヘリで人員輸送を初検証、要配慮者の動静も確認

2025/11/16 06:30
大型ヘリから降り誘導員とともに移動する住民役=15日午前10時すぎ、鹿児島市桜島横山町
大型ヘリから降り誘導員とともに移動する住民役=15日午前10時すぎ、鹿児島市桜島横山町
 桜島の大規模噴火を想定した総合防災訓練が15日、鹿児島市の桜島全域であり、住民600人を含む60団体1500人が参加した。56回目の今年はドローンを使って避難情報を音声で広報し、陸上自衛隊の大型ヘリによる人員輸送を検証した。各集落では住民が自力避難が難しい要配慮者の動静を確認し、支援した。

 山体膨張を示す急激な地殻変動が観測され、全島民が大規模噴火前に島外避難する想定。陸自ヘリを使う輸送訓練は初めてあり、住民役の学生ら25人を島外へ避難させる手順を確認した。フェリーと車に加え、新たな避難手段となる。下鶴隆央市長は「たくさん人を乗せることができ、安定性に優れている」と述べた。

 市は午前9時半に高齢者等避難、10時半に避難指示を発令した。桜島西道町の西道公民館では午前9時すぎ、公民館長と民生委員、消防団の3者調整会議があった。名簿に載る要配慮者のほか、支援が必要と思われる住民の状況も確認し、民生委員が避難を助けた。

 浜田貢公民館長(65)は「訓練のように落ち着いてできるか心配だが、住民の意識は高い。高齢者が多く、消防団員の確保が大事だ」と課題を挙げた。

 桜島武町では外国人観光客の避難誘導、桜島赤水町ではドローンを使った情報収集と音声広報、桜島横山町の介護老人福祉施設「桜島苑」では入所者らの避難訓練をした。桜島赤水町の自営業国村恵美子さん(52)は「それぞれ家庭の事情で避難のタイミングは違う。実際にどうなるのか不安だ」と話した。

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