〈詳報〉桜島で爆発、1年ぶりに噴煙4000メートル超到達 気象台「活発化の兆候はない」 鹿児島空港は47便が欠航、人気番組の収録も延期…

2025/11/16 21:54
航空券の払い戻しや変更手続きで混雑する空港カウンター=16日午後1時10分ごろ、霧島市の鹿児島空港
航空券の払い戻しや変更手続きで混雑する空港カウンター=16日午後1時10分ごろ、霧島市の鹿児島空港
 16日午前0時57分ごろ、桜島の南岳山頂火口で爆発があり、噴煙の高さは火口から4400メートルに達した。その後も午前8時50分にかけて3回爆発し、鹿児島市東郡元町の鹿児島地方気象台でいずれも空振を観測した。噴煙は3700~1700メートル上がり、鹿児島市や姶良市、垂水市など各地で降灰が確認された。気象台は「山体膨張を示す地殻変動は確認されず、活発化の兆候はない」としている。

 噴煙が4000メートルを超えるのは昨年10月18日以来。爆発は今年8月22日以来で、今年の累計は151回。11月16日の計4回の爆発で、大きな噴石は最大5合目(火口から千~1400メートル)まで飛散した。火砕流は発生していない。

 気象台によると、桜島は5、7、8月に山体膨張が観測されたが、それ以降は収縮している。噴火警戒レベルは3(入山規制)。南岳山頂火口と昭和火口から約2キロの範囲で、大きな噴石と火砕流を伴う噴火が発生する恐れがあるとして警戒を呼びかけている。



 桜島の相次ぐ爆発に伴う降灰の影響で16日、鹿児島県霧島市の鹿児島空港を発着する便は国内・国際線の47便が欠航した。仕事を翌日に控えた多くの行楽客や帰省客が足止めされ、航空会社のカウンターには搭乗便の変更や払い戻しを求める列ができた。

 利用客はスマートフォンを手に情報収集に追われ、慌ただしく電話連絡をする姿が目立った。神奈川県鎌倉市の会社員野地一良さん(54)は3日間の霧島観光を終え、夕方の便で成田へ戻る予定だった。「桜島の噴火で欠航する可能性は知っていたが経験するのは初めて。他の帰り方を考える」と気持ちを切り替えた。

 鹿児島県湧水町の実家に帰省し、6時間遅れの夜9時台の便に振り替えた愛知県安城市の男性会社員(65)は「明日から仕事。座席は確保できたが飛ぶかどうか不安だ。自然相手でどうしようもないが早く収まってほしい」と願った。

◆欠航でテレビ東京「出張!なんでも鑑定団」公開収録を延期 

 鹿屋市文化会館で16日に予定されていた公開収録は、12月28日に延期された。桜島が爆発した影響で鹿児島空港到着便が欠航となり、出演者ら番組関係者が会場入りできなくなったため。市制施行20周年を記念し、収録を主催する市が発表した。

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