子どもたちの集中度を「脈波」で見える化 授業改善目指し鹿児島大がデータ集め実証実験中

2025/11/17 16:30
木片で工作する児童ら=中種子町の岩岡小学校
木片で工作する児童ら=中種子町の岩岡小学校
 子どもたちがどれくらい授業に集中しているかを数値化できないか-。鹿児島大教育学部の寺床勝也教授=木材加工教育=は、人の脈波を計測・解析して感情を推定する装置を、学校現場に導入しようと模索している。中種子町の岩岡小学校(15人)で実証実験し、児童の集中度などのデータを集めた。

 寺床教授によると、装置は三菱電機などが共同開発した「エモコアイ」というバイタルセンサー。人体からの微弱な電波の反射を捉えることで、非接触で高精度に脈波を計測・解析して脳活動や中枢神経の状態を把握し、感情を推定する。

 実験は10月下旬、木育活動の際に行った。机の下にセンサーを設置。木片で工作する児童の集中度と眠気度についてデータを集め、タブレット端末で随時確認した。黙々と手を動かす児童もいれば、おしゃべりしながら工作する児童もいるなどさまざまだったが、作業中は全体的に集中度が高い傾向がみられた。

 岩岡小の蔀(しとみ)久恵校長は「子どもたちの気持ちに寄り添うことに役立ちそう」と期待。寺床教授は「感情を可視化することで授業改善につなげられれば」と話した。

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