コメ流通の構図
政府がふるさと納税の返礼品で扱われるコメの需要量の調査に乗り出したことが12日、分かった。各地の自治体は主に小規模な事業者を通じて返礼するため、全体像がつかめていなかった。少なくとも年間10万トン以上が消費されているとみられる。需要の見通しの甘さが価格高騰を招いた反省に立ち、正確な流通量を把握して「需要に応じた増産」を実現する施策の一環となる。
主食のコメは多くの自治体が返礼品に採用。昨年のスーパーから品が消える「令和の米騒動」と、その後の価格急騰を受けて人気はさらに高まっているもようだ。今秋の収穫を待たず「先行予約」の形で寄付の獲得を競っている。
農林水産省は既に全国の市町村への照会を始めている。今後とりまとめ、10月以降に公表する2026年産の需給見通しに盛り込む方向だ。
コメの流通は生産者から集荷業者のJAグループを通じ、精米を担う卸売業者に流れるのが基本のルートだった。しかし近年はインターネット通販などを通じた農家からの直接販売が増加。農水省によると、23年産の主食用米のうち4割弱が直販だった。