2008年2月、ワシントンで演説するディック・チェイニー米副大統領(ロイター=共同)
【ワシントン共同】AP通信によると、ディック・チェイニー元米副大統領が3日、肺炎や心血管疾患の合併症で死去した。84歳。2001年9月の米中枢同時テロ後、イラク戦争を強力に推進した共和党ブッシュ(子)政権の強硬派。老練な政治手腕で「史上最強の副大統領」との異名を取ったが、開戦判断の誤りを批判された。
1991年の湾岸戦争時は国防長官を務めた。2009年に副大統領を退任した後は回顧録執筆や講演活動を通じて在任時の政策や決定を擁護、保守派に一定の影響力を残した。
1941年1月、ネブラスカ州生まれ。ワイオミング大で政治学を学び、75年に34歳の若さでフォード大統領の首席補佐官に就任した。ワイオミング州選出の下院議員を経て89~93年にブッシュ(父)政権の国防長官。2001年1月に副大統領となり、09年1月まで2期務めた。
03年のイラク戦争に先立ち、当時の首席補佐官を通じ、イラクの旧フセイン政権がニジェールからウラン購入を試みた疑いがあるとの情報を誇張、開戦に利用したとして批判を浴びた。