長澤まさみ主演『おーい、応為』 天才絵師・応為とは――父は北斎、不器用で豪胆、絵に生きた人生

2025/09/11 18:45
映画『おーい、応為』(10月17日公開)(C)2025「おーい、応為」製作委員会
映画『おーい、応為』(10月17日公開)(C)2025「おーい、応為」製作委員会
 俳優・長澤まさみが時代劇で初主演を務める映画『おーい、応為』(10月17日公開)。彼女が演じるのは、知られざる天才絵師・葛飾応為だ。応為は、父である葛飾北斎の右腕として数々の作品に携わりつつ、自らの画風を切り拓いたが、その生涯は長らく語られてこなかった。いったいどんな人物だったのか――。

【画像】映画『おーい、応為』場面写真

■応為のヒミツ(1)父はあの葛飾北斎。それでも自分の絵を追求した

 世界的に知られる浮世絵師・葛飾北斎。その生涯を最も近くで見続け、父の右腕として活躍したのが応為だ。北斎が「美人画では敵わない」と評したほどの才を放ち、《吉原格子先之図》や《夜桜美人図》などを残した。父を追いながらも、ただ継承するのではなく、「応為の絵」を切り拓いていった。

■応為のヒミツ(2)名前の由来は父の呼びかけ

 結婚後、夫の絵を見下したことで離縁され、父のもとへ出戻った応為。父娘にして師弟の暮らしのなかで、北斎から「葛飾応為」という号を授かる。その由来は、北斎が日常的に「おーい、おーい」と呼んでいたことにある。女性が筆一本で生きることが稀有だった時代に、自らの名で立ち、江戸の芸術界を駆け上がった。

■応為のヒミツ(3)不器用でズボラ、でも絵には真っすぐ

 長身で目立つ風貌ながら、家事は極端に苦手。酒と煙草を好むが、茶ひとつまともに淹れられず、針仕事も不得意で、部屋は散らかし放題だったと伝わる。けれどその不器用さとは裏腹に、絵の才能だけは群を抜いていた。型にはまらず、自分の感覚を信じて筆を走らせる姿こそが応為の魅力。

 本作では、応為の父・北斎役を永瀬正敏、友人の浮世絵師・渓斎英泉(善次郎)をKing & Princeの高橋海人(※高=はしごだか)が演じる。そのほか大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太、寺島しのぶら実力派が脇を固め、応為の人間模様を豊かに描き出す。

 監督・脚本は大森立嗣。長澤とは『MOTHER マザー』(2020年)以来の再タッグとなる。豪胆で自由、不器用でありながら絵にすべてを注いだ応為を、長澤がどう体現するのか、期待が高まる。

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