特別展『ベツコミ 55th ANNIV. BEYOND THE PAGE 好き、のつづき。』の展示の様子 (C)ORICON NewS inc.
少女漫画雑誌『ベツコミ』の創刊55周年を記念した特別展『ベツコミ 55th ANNIV. BEYOND THE PAGE 好き、のつづき。』が、きょう3日から東京・LUMINE 0 ニュウマン新宿店5階にて開幕した。これに先駆け、内覧会が行われ、『ポーの一族』『BASARA』『BANANA FISH』をはじめとする55年の歴史の中で生み出された名作40作の原画130点(複製原画を含む)のほか、制作資料、最新技術によるイマーシブ映像が公開された。
【写真】この2ショットだけで泣ける…大スクリーンに映されたアッシュと英二
『ベツコミ』は、『少女コミック』の増刊として『別冊少女コミック』の誌名で1970年に創刊。2002年に『Betsucomi』、2006年から現在の『ベツコミ』にリニューアル。少女漫画の枠を超えた壮大なスケールと深い物語性を持つ作品が数多く発表されている。
展覧会では、まずは年代ごとに『ベツコミ』の55年を振り返る展示でその歴史に思いを馳せる展示室から。その部屋を抜けると、高さ4メートル、幅20メートルを超える巨大なワイドスクリーンシアターに出迎られる。ここでは、萩尾望都氏『ポーの一族』、田村由美氏『BASARA』、吉田秋生氏『BANANA FISH』など、厳選16作品の名シーンを約35分にまとめた、オリジナル映像が上映される。
最新技術を駆使した迫力ある映像と効果音で、名作の名シーンがよみがえる。紙をめくり夢中になった作品も、大きなスクリーンで要所に色がさしこまれ、効果音が追加されることでまた新鮮にその世界観に没入できる。涙を溜めた目が揺れたり、花びらが散ったりなどの演出で臨場感もたっぷり。個人的には、「大画面で見るエドガーとアランの美しさ…」「えっ?原作アッシュが動いてる!?」などとたくさんの驚きが詰まっていた。
イマーシブ映像ではほかに、渡辺多恵子氏『風光る』、小畑友紀氏『僕等がいた』、芦原妃名子氏『砂時計』、桜小路かのこ氏『BLACK BIRD』、最富キョウスケ氏『電撃デイジー』、和泉かねよし氏『女王の花』、宇佐美真紀氏『ココロ・ボタン』、紺野りさ氏『胸が鳴るのは君のせい』、桜小路かのこ氏『青楼オペラ』、ヒナチなお氏『藤原くんはだいたい正しい』、千葉コズエ氏『1/3 さんぶんのいち』、藤沢志月氏『柚木さんちの四兄弟。』、吉永ゆう氏『主人恋日記』の名シーンが上映される。
また、和泉氏、桜小路氏、最富氏など、ベツコミの歴史を築き、いまもなお、ベツコミで活躍中の作家陣の、作品の制作過程を紹介するコーナーも展開されている。プロットやネームなど、普段は見ることができない、完成原稿ができるまでの工程を詳しく解説しているほか、知られざるデビューのきっかけや連載秘話などもQ&A形式で披露。ペン入れの様子を動画撮影したドローイング映像も公開されている。
そして最後のコーナーには、「絆」「気高さ」「きゅん」という、普遍的なテーマごとに演出された展示空間に、55年という歴史を感じる作品の貴重な生原画や厳選された複製原画を展示。作家の筆致やペンタッチを間近で見ることができる。原画には説明が添えられているものもあり、連載当時の心境をつづっているものも。「これがやりたかった」などと語っている作家もおり、より作品への解像度が上がること間違いなし。ファン必見の展覧会となっている。
会場内では、本展オリジナルグッズのほか、人気作品をフィーチャーした、小学館公式の既存グッズ(一部)が販売。3000円購入ごとにイベント限定「チケット風クリアカード(全14種・ランダム)」がもらえる。
本展は、13日まで開催される。