 
            『大絶滅展』への思いを語った福山雅治 (C)ORICON NewS inc.
         
         俳優の福山雅治が10月31日、東京・上野の国立科学博物館で行われた特別展『大絶滅展-生命史のビッグファイブ』の報道発表会に参加した。
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 福山はスペシャルナビゲーターを担当する。 世界をめぐり、絶滅の危機にある野生生物たちの驚きの生態や進化の不思議を壮大なスケールで描く大型自然ドキュメンタリーのNHK『ホットスポット 最後の楽園』に出演している。
 15年にわたって『ホットスポット』の旅を続けている。自然に興味を持ったきっかけを問われると福山は「自然に興味を持った、という前に僕の母方の祖母がみかん畑をやっておりました。僕の母親を含めて子供を5人産んだ。祖父が割と早めに他界しまして、不慣れな農業を引き継ぐしか生きる術はなく。祖母は、みかんだけじゃなくて、米もやってましたし、牛もいました」と振り返る。
 祖母が住んでいたのは昔ながらの造りの家でもあり「子供心にいい場所だなと思っていたと同時に生きていくのは楽じゃないと思った。そこから自然は豊かで自分たちに生きていくためのいろんなものをくれるんですけれども、その中で生きていくのは天候も思い通りにならないし、畑に行くのも休めないというんです。僕にとって自然というのは遠くにあるすごく美しいものであると同時に、非常に生きていくのが大変な場所」としみじみと口にしながら「自然番組のお話をいただいた時に、美しいものを見に行くというよりは、祖母や僕たち家族が生きることができた、生きさせてもらえた、この自然というものが今どうなっているのかということに関する興味でした」と明かしていた。
 また、子供たちへメッセージも。福山は「生きていくということは、自ら生きていくという気持ちと意思と同時に、生かされてるっていうのもあるのかなって展示を見て思いました。大絶滅が起こった時に絶滅するのが70%から90%という話で、残りの10%が次の生態系を反映させていく。となった時に運があると思うんですよね。偶然にも選ばれた種が生き残るために頑張ったんでしょう。与えられたものと、自分で一生懸命頑張ってつかんでいくものと両方なきゃ生き残っていけないのかなと思います。大人だってそうなんですけれども、見に来てくれる子供たちは『なんで勉強しなきゃいけないのかな』とか、『なんで学校行かなきゃいけないのかな』とか、『もっと遊んでたいな』とか、いろいろあると思うんですけれども勉強するに越したことはないと思います」。
 「自分たちが与えられたこの学べるという環境は、世界でも実は結構稀だと思っている。さまざまな国に行かせてもらって、やはり世界は貧困、差別、分裂、断裂、さまざまあります。こうやって義務教育なるものがあって学校に行けるって環境は実はすごい恵まれている。なかなか知ることは難しいとは思うんですけれども。今回のこの『大絶滅展』を見て、ちょっと怖いなって思ってもらってもいいかなと思ってるんです。ちょっと怖いなと思っても、なんとか生き残っていかなきゃいけない、生き残るためにはどうすればいいのか、自分の大事な友達とか、お父さん、お母さんとか、大好きな家族とかと一緒に生きていくためにはどうすればいいのかな、やっぱ頑張んなきゃいけないんだなっていうと思ってくれたらいいなと思います」と伝えていた。
 生命が誕生してから40億年、地球上では幾度も生命の危機が訪れた。しかし生命は、危機を乗り越え、絶滅したグループに代わるグループが新たに繁栄することを繰り返すことで、多様に進化を遂げてきた。大量絶滅は生命の繁栄を促した現象だと捉えることもできる。特別展『大絶滅展-生命史のビッグファイブ』では、その中でも規模の大きかった5回の「大量絶滅」事変(通称「ビッグファイブ」)を、化石や岩石に残されたさまざまな証拠からひも解き、「生き物たち」の生存をかけた進化の歴史をたどる。
 11月1日から来年2月23日まで。