南さつま市は、薩摩半島の西南端に位置し、日本三大砂丘のひとつである吹上浜や、リアス式海岸など雄大な自然に囲まれています。日本二大杜氏の黒瀬杜氏と阿多杜氏の発祥の地でもあり、それらの技を伝承した「七蔵」と呼ばれる7つの焼酎蔵があります。
焼酎や日本酒など日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことや、北米での蒸留酒需要の高まりから、焼酎マーケットにおいても売上拡大が期待されています。
「焼酎文化伝承プロジェクト」のターゲットは鹿児島への来訪経験があり、「お酒好き、グルメ」な国内外からの観光客。お気に入りの「逸品」を求める旅行者を満足させる企画を準備します。
七蔵の代表銘柄を一度に楽しめる体験型コンテンツ。体験客はそれぞれの味わいを比較する「味わいチャート」を作成し、最後に試飲した中からどれか1つを飲んで、どの焼酎かを当てます。
味わいチャートは、重い・軽いや、芋の香りが強い・フルーティーで華やかな香り、などの普段焼酎を飲まない人でも分かりやすいような表現で構成されており、テイスティングを行うオリジナル焼酎グラスはワイングラスのようなおしゃれな見た目。焼酎の男性的なイメージから脱皮し、女性や外国人観光客にも楽しんでもらえるよう企画しました。
体験場所:観光物産交流施設 きやったもんせ南さつま(鹿児島県南さつま市加世田本町43-9)
地元の食材を使ったコース料理を焼酎と合わせて提供します。ペアリングは杜氏と料理人、ワインソムリエの資格を持つ旅館の女将が考案しました。
地元で取れた旬の野菜や魚を、各焼酎との相性を考えた献立。コース料理は全8品で、四季で内容は変わります。
体験場所:松屋旅館(鹿児島県南さつま市加世田唐仁原5636)
各銘柄180mlのミニボトルセットを作成。従来の茶色のガラスボトルと古風なラベルのビジュアルを一新。各銘柄の味わいや割ったときの風合いをイメージしたラベルデザインに、ローマ字表記した銘柄の名称、七蔵のロゴマークを、透明なガラスボトルにあしらいました。
土産品としても持ち帰りやすいサイズ感で、味わいの違いを手軽に比較できます。シンプルでかわらしいデザインの外箱はまるでケーキ箱のよう。焼酎に馴染みのない若年層など、新たなファンの獲得を目指します。
※2025年4月上旬販売予定(数量限定)
プロジェクトを担当する栁下天祐さんは、「各蔵元の目標が一緒だからこそ実現できたプロジェクト。割り方で味わいや楽しみ方が変わるのは焼酎ならではの魅力だ。生涯を通して長く楽しめるものとして、南さつま市の文化にしていきたい」と話します。
国内外観光客や体験客のデータや満足度のアンケートなどを通して、さらなる域内消費拡大、持続可能な観光地域づくりを目指します。また、今後は地域の人が地域の焼酎を愛飲してもらえるように、「南さつま七蔵焼酎検定(仮)」などを導入し、ファンやガイド養成に取り組んでいきます。