黒木為寿さん(中央)一家=霧島市の国分小学校
治療が難しいスキルス胃がんの手術を控える霧島市国分向花町の市役所職員、黒木為寿さん(42)を励まそうと、ラグビー仲間が鹿児島市でチャリティーマッチを開いた。黒木さんは試合でもらった勇気を胸に、26日に滋賀県の病院に入院し、8時間にわたる手術を受ける。
黒木さんは社会人ラグビーチーム「国分クラブ」に所属し、小中学生のラグビークラブ二つでコーチを務めるラガーマン。今年3月頃から食後に胃の痛みがあり、4月初めにスキルス胃がんと診断された。
チャリティーマッチは、鹿児島市の小中学生クラブチーム「鹿児島オールブラックス」の東隆弘監督(48)が「大病と闘うラガーマンを応援したい」と計画。鹿児島市五ケ別府町の会場では、所属する国分クラブの小谷明宏さん(49)が立ち上げた「タメヒサ君を励ます会」が見舞金を募った。
6月12日のチャリティーマッチには選手や同僚、友人ら約200人が集まった。黒木さんも高校2年生の長男・為之心(ためのしん)さんと参加。75キロあった体重が59キロまで落ちていたものの、ラスト5分出場してタックルを受け、試合を楽しんだ。「黒木さん回復後に復活祭として再試合を」と盛り上がっているという。
黒木さんは5月の腹腔(ふくくう)鏡手術でがん細胞が散らばる腹膜播種(はしゅ)が見つかり、胃の全摘出を見合わせた。腹膜播種を切除できる病院を探し、滋賀で入院する。難手術を控え、「精神的にどん底のときに仲間が元気付けてくれた。復活祭は中3の次男と出場したい」と話している。
(南日本新聞2022年6月25日付)