市販マークで駐車、市町村でも申請できる?… パーキングパーミット制度の疑問、意見続々

 2021/09/12 09:00
県の窓口で利用証を申請する男性=鹿児島市のハートピアかごしま
県の窓口で利用証を申請する男性=鹿児島市のハートピアかごしま
 障害者用の専用駐車場に健常者の車が止まっている現状を取材した8月29日付「こちら373(こちミナ)」に、多くの意見や質問が寄せられた。制度を知る大切さや、申請窓口の拡充など利用者が使いやすくなる工夫を求める声もあった。

■市販のマーク

 「市販のマークをつけて専用駐車場に車を止める人がいる」との指摘が複数あった。ホームセンターなどで販売されている車いすや身体障害者標識、高齢者マークを利用証の代わりに、駐車する人が後を絶たないという。

 市販のマークは運転中などに周囲に注意を促すためのもので、パーキングパーミットの協力施設の専用駐車場を利用するには、申請し交付された利用証が必要。県障害福祉課障害者支援室は「市販のマークでは使えない。必要な人は申請してほしい」としている。

■申請窓口は?

 「利用証を市町村ではもらえないのはなぜ」との質問もあった。パーキングパーミットは県の制度のため、利用証の申請窓口は県障害福祉課=099(286)2746、各地域振興局、ハートピアかごしまなど県の機関になる。市町村や警察署では申請できない。

 申請は無料で、障害者手帳や介護保険証、診断書などのコピーが必要。代理申請や郵送での申請も可能だ。ただ障害者や高齢者、妊産婦などが対象であることを考えると、もっと申請しやすい工夫があってもいいかもしれない。

■善意で成り立つ

 脚に障害がある鹿児島市の50代女性は商業施設の専用駐車場で、他の客から注意された経験がある。車には利用証を掲示していたが、「外見からは障害が分かりにくいためだろう」という。

 「障害者手帳を見せてやっと納得してくれた。見た目で決めつけないでほしい」と訴える。「ちょっとぐらい」というマナー違反が減らないから、きちんと使っている人が不愉快な思いをしてしまう。思いやりと善意で成り立っている制度だけに理解と協力が欠かせない。

【パーキングパーミット(身障者用駐車場利用証)制度】

 障害者や介護が必要な高齢者らが利用証を提示して、公共施設や店舗などの専用駐車スペースを確保する仕組み。鹿児島県は2009年に導入。利用証は緑(障害者や介護が必要な高齢者、有効期間5年)、赤(車いすを常時使用する運転者、同5年)、オレンジ(妊産婦など、同1年未満)の3種類。

利用証を使用できることを示すステッカー=鹿児島市のハートピアかごしま
利用証を使用できることを示すステッカー=鹿児島市のハートピアかごしま

利用証を使用できる駐車場を示すステッカー
利用証を使用できる駐車場を示すステッカー

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