鹿児島県知事選 連合系野党、独自候補擁立せず

塩田、伊藤氏に「一本化を」
(2020/06/01 08:00)
南日本新聞ニュース
 連合鹿児島と立憲民主、国民民主、社民の各県連、県議会会派の県民連合でつくる「5者会議」は30日、7月の県知事選で独自候補を擁立しないと決めた。立候補の意向を表明している4人のうち、支援候補を前九州経済産業局長の塩田康一氏(54)と前知事の伊藤祐一郎氏(72)に絞り、「現職(三反園訓氏)に勝つため一本化するよう強く求める」ことで一致した。

 鹿児島市で非公開の会合があった。連合鹿児島の下町和三会長は終了後、独自候補を断念した理由を「われわれの力不足。準備できなかった」と説明した。

 伊藤氏と元鹿児島大学特任助教の有川博幸氏(61)は3月までに連合鹿児島に推薦願を出し、塩田氏も5月27日に提出。連合は3人と事前に面談し、それぞれの県政運営方針などを聞いていた。

 5者会議では「新型コロナウイルスの影響もあり、県民生活をどう守るかが重要。知事には一定の行政経験が必要」とし、支援候補を塩田、伊藤両氏に絞った。ただ「どちらも長所、短所がある」と決めきれなかった。

 一本化について、下町会長は「県民生活を大事に考えるならば、まずは2人で検討してほしい」と述べるにとどめた。実現しなかった場合は「(連合系の)団体それぞれで自主投票の可能性もある」との見方を示した。
 知事選を巡る5者会議の協議は17日に続いて2度目。6月6日までに方針を出すとしていた。

時間足りず玉虫色決着
〈解説〉連合鹿児島と、その支援を受ける野党3党、県議会県民連合は、行政経験がある新人の塩田康一氏(54)と前知事の伊藤祐一郎氏(72)を支援候補に残す形で、緩やかな決着を図った。それぞれの意見をまとめるには時間が足りなかった。

 協議が本格化したのは大型連休明け。野党各党が4月の県都・鹿児島市議選に全力を注いだことが出遅れた要因だ。それまでに確認できていたのは反現職の立場のみ。

 各党が候補者探しを急ぐ中、新型コロナウイルス感染拡大という非常時、素早い対応が取れるのは行政経験者だとして2人を推す声が強まった。実績豊富な伊藤氏には前職時代の発言などに一部反発があり、若手の塩田氏には県政トップとしての手腕は未知数の面も大きい。両者マニフェストの発表もなく、ある野党幹部は「甲乙付ける材料がない」。

 「勝つために一本化を」と促すものの、実現しても支援するかの判断は各組織に委ねられた。候補擁立を目指す市民団体の意向を尊重する社民に配慮した格好だが、玉虫色の結論に野党共闘もかすんで見える。