独自開発のウイルス医薬 鹿大病院、膵がん治験開始 

(2020/07/01 06:30)
会見する鹿児島大学病院消化器内科の井戸章雄教授(右から2人目)ら=鹿児島市の鹿大病院
会見する鹿児島大学病院消化器内科の井戸章雄教授(右から2人目)ら=鹿児島市の鹿大病院
 鹿児島大学病院は30日、がん治療薬として独自に開発を進めている腫瘍溶解性ウイルス「サバイビン反応性m-CRA-1」を用いた膵(すい)がんの医師主導治験を開始したと発表した。2年間で24人を対象に、安全性と有効性を評価して実用化を目指す。

 治験は同病院の井戸章雄教授(60)=消化器内科、橋元慎一副部長(45)=光学医療診療部=らを中心に行う。22日に始まり、切除できず化学療法の効果が見られなかった患者が対象。有効性や安全性が確認されれば製薬企業などと連携し、実用化へ向けて多数の患者が参加する治験に移る。

 膵がんは切除不能のケースが多く化学療法の選択肢も少ない。5年生存率は10%と他のがんに比べて低い。井戸教授は「難治性がんで苦しむ患者の希望になれたら。治験が成功するよう力を尽くしたい」と話した。

 「サバイビン反応性m-CRA-1」は、鹿児島大学大学院の小戝健一郎教授(57)=遺伝子治療・再生医学分野=が独自開発した遺伝子組み換えウイルス医薬で、がん細胞のみを破壊する。正常な細胞には機能しないため副作用が少ないとされる。小戝教授によると、悪性骨肉腫への安全性を確認する医師主導治験が2016年8月から行われており、良好な成績を収めているという。

 鹿大病院消化器内科=099(275)5326