【新型コロナ】保健室のカーテン裏側消毒を トイレにも感染リスク 学校、保護者の連携が重要 鹿児島大医学部・根路銘教授に聞く

(2020/07/15 11:30)
学校の感染対策について話す根路銘安仁教授=鹿児島市の鹿児島大学
学校の感染対策について話す根路銘安仁教授=鹿児島市の鹿児島大学
 鹿児島県内で新型コロナウイルスの感染者が急増し、小学生の感染者も確認された。一部の保護者からは登校させることに不安の声も上がる。感染状況が新たな局面を迎えた今、学校現場にはどのような対策が求められるのか。県小児保健協会長で鹿児島大学医学部の根路銘安仁教授=小児保健=に聞いた。

 -学校現場の現状をどうみるか。
「今は誰が感染してもおかしくない状況だ。各校でさまざな対策が取られているが、自分の学校でも起こり得るという前提で、発生前と発生時への具体的な備えを改めて考えなければならない」

 -求められる取り組みは。

 「国のガイドラインに沿って対策を進めてほしい。感染者には接触感染が多いとされる。飛沫(ひまつ)と接触の感染経路を絶つには、必要に応じたマスク着用とアルコール消毒の徹底が大事だ」

 -校内で感染のリスクが高い場所は。

 「保健室で症状がある子どもをみる際は、周囲1、2メートルが汚染されており、接触感染する可能性がある。ベットだけでなく、カーテンの内側も消毒してほしい」

 「便にも大量の新型コロナが検出されることが分かった。用を足した後の手は汚染されているので、トイレのドアノブや水道の蛇口などに直接触れるのは避けたい。ひじでドアを開けたり、ドアオープナーを使ったりする工夫が必要」

 -保護者の不安も高まっている。

 「子どもは新型コロナが細胞に侵入するのに必要なタンパク質『アンギオテンシン転換酵素(ACE2)』が少なく、子ども同士の感染は低いと考えられている。過度な対策は教育活動への弊害も大きく、予防目的の休校などは必要ないだろう」

 「だが子どもが感染するケースはゼロではない。その場合、大人が子どもにうつす可能性が高く、家庭での感染リスクが気掛かりだ。保護者との連携を重視し、感染がまん延している地域では登校前の検温に加え、家族の健康状態を確認する必要がある。教師も常時マスクを着用してほしい」

 -グループ学習などは進めてもいいのか。

 「マスクを着用し1~1.5メートル離れれば、飛沫感染は防げる。ただ机や椅子などに飛び散ったウイルスに手が触れると、鼻や目などの粘膜から接触感染することがある。特に話し合い活動のある授業や昼休みの前後は手洗いが必要」

 「費用はかかるが、机ごとにアクリル板を設置すれば、感染経路を大幅に減らすことができる。子どもの教育を考えると、対策を取った上でグループ学習をやるべきだと思う」

 -熱中症対策は。

 「息苦しい時や授業中にマスクを着ける必要はなく、声を発声する時など必要な場面での着用が望ましい。マスクを外す時は、ウイルスが付いた内側に触れないようにしたり、内側を机などに接さないように置いたりすることを心掛けてほしい」

 -教員に求められる心構えは。

 「大人が子どもにうつさないことが子どもの教育機会を守ることにつながると考えてほしい。家族に症状があり、登校を自粛するなどした子どもへの学習フォローや心のケアもお願いしたい」

 〈ねろめ・やすひと〉 1970年、那覇市生まれ。鹿児島大学医学部卒。2008年に鹿大離島へき地医療人育成センターで、医学科生に地域医療教育を行った。17年から現職。県小児保健協会長。