ワイルドなジビエしょうゆ第1弾 シカ肉使い、味はまろやか 鹿児島・阿久根の鶴翔高

(2020/07/29 20:00)
「ジビエしょうゆ」を完成させた鶴翔高校の生徒=阿久根市赤瀬川
「ジビエしょうゆ」を完成させた鶴翔高校の生徒=阿久根市赤瀬川
 阿久根市の鶴翔高校の生徒が、シカ肉を使ったしょうゆを完成させた。4年がかりで取り組んできた野生の鳥獣肉(ジビエ)を利用する「ジビエしょうゆ」の第1弾で、プロの料理人らもまろやかな独特の味わいを評価。同校ではカモ肉を使った新商品の開発にも着手している。生徒は「阿久根に根付き、広がってほしい」と期待を込める。

 ジビエの有効利用を目指し、2016年度から食品技術科3年生と食農研究部が開発をスタート。大豆で本醸造のしょうゆを造ってきた技術を応用、代わりにシカ肉を使うことにし、こうじと塩の配分など検討を重ねた。
「ジビエしょうゆ」の仕込み状況を確認する生徒=阿久根市赤瀬川
「ジビエしょうゆ」の仕込み状況を確認する生徒=阿久根市赤瀬川

 こうじには、美肌などに効果があるとされるシトルリンが多い「いり麦」を採用した。前年度、仕込み期間を1年程度とする製法を確立した。本年度からは、カモ肉での開発も始めた。

 7月上旬、開発を支援した同市の焼き鳥店主の山迫久師さん(41)、道の駅を運営する「まちの灯台阿久根」(旧市観光連盟)代表の石川秀和さん(45)と技術移譲に関する協定を結んだ。製造のノウハウを提供し、地域活性化に役立ててもらう。

 一般的なしょうゆとは異なり、肉の風味が効いただし汁のような仕上がり。山迫さんはジビエしょうゆを調味料として生かす道を探る。「データに基づいた鶴翔のレシピはとても貴重。県外客からも喜ばれる味だと思う」と手応えを語る。

 3年の洲崎晴華さんは「先輩から引き継いだ大切な研究。しょうゆをきっかけに阿久根をPRできればうれしい」。指導する石原勝博教諭(54)は「地域の人が鶴翔のしょうゆを広めようと動いてくれたことがありがたい」と感謝した。